加賀繍

2013.01.13

久しぶりに太陽が顔を出す穏やかな日

数日前に予約した

加賀繍のワークショップに参加してきました

 

刺繍にあまり詳しくない友人から着物の半襟の刺繍を依頼されたのですが

半襟に施す刺繍はフランス刺繍とは違い

日本刺繍

経験がなかったので丁重にお断りをしましたが

以前から興味津々

フランス刺繍と技法は似ていても

生地も糸も針も刺し方も違う

興味はありつつも

なかなか実際に目に触れることもなければ

ましてや体験する機会もいままでなかったので

本や好きな作家さんのブログをみては

ただ憧れの存在だった日本刺繍

 

加賀繍も日本刺繍と同じで

加賀の職人さんが京都に修行に行って

加賀に戻ってからぼかしなど独自の色合いなどを施して

加賀繍と呼ばれるようになっただけで

基本的には日本刺繍と同じ

 

今回、このタイミングでみつけた

石川県伝統工芸館で行われるワークショップに

初めて参加させていただきました

 

小さなフレームに納まるように

桜の模様を刺したのですが

これだけを刺すのに2時間半

 

フランス刺繍は刺繍糸が市販で売っているので

その糸を使えばいいのですが

日本刺繍の場合は、絹の糸を自分で撚って使わなければいけないのです

日本刺繍で使われる糸は12本の絹の繊維が集まって1本の糸になり
撚りが全くかかっていない事から釜糸とも呼ばれ
日本刺繍をする上で大変重要なポイントになるようです
どのように撚りをかけるかによって
風合い、色の具合、力強さなど様々な事を表現するからで
撚りをかけない平糸の状態で使ったり、1本の糸を撚る、数本をまとめて撚る
1本を半分にして撚るなど、無数の撚り方が存在します

何本もの糸を合わせても、毛羽立つ事は少なく

反対に絹の艶や光沢を表現する事ができ
それは絹には天然の伸縮性とも言える粘りがあるからだそうです

 

今回は時間が決められていたので

あらかじめ講師の先生が撚った糸とその配色もすべてご用意してくださいましたので

私は下絵にただ刺すだけだったのですが

これが思った以上に大変でした

 

固定した刺繍枠から右手左手の役割が決まっていて

右手は常に上にないといけません

フランス刺繍は左手で刺繍枠をもって右手だけを動かすので

常に右手が上という動きになかなかなれず

つい右手だけで針を動かしてしまいました

 

講師の先生の見本を見ながら刺したにもかかわらず

どうもいびつで桜の花びらがうまく表現できませんでした

それでも仕上げに金糸をさすと

いくらか完成度もあがり

フレームに入れたらそれなりの形には仕上がりました

 

地元にいながら

今回初めて訪れた石川伝統工芸館

ワークショップが開催された二階には

石川県を代表する工芸品の

加賀友禅、輪島塗、山中塗り、九谷焼、などの作品や技法を紹介する展示物もあり

1月30日までは『加賀繍A to Z』という企画展も開催されていました

 

ワークショップを終えてから目にする

展示されていた加賀繍の見事さにあぜんとするばかり

デザインはもちろん、繊細な色使いと均整のとれた糸運び

どれも見事としかいいようのない作品ばかりが展示されていました

 

加賀繍は道具が簡単に揃えられないので

自宅でいますぐ始めるというわけにはいきませんし

かなり腰を据えてじっくり取り組まないと片手間では習得できるものではなさそうです

けれど美しい仕上がりのものをみるとやりたい病がうずうずします 

 

でもいつか時間の余裕ができたら

始めてみたいと思います

 

日本を代表する工芸がこんな身近にある土地に生まれたことに

改めてシアワセだと感じました